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お宿日記
私はこの年(41歳)になって初めて佐渡の良さに魅了されています。
りんごの南限、みかんの北限と言われ、山菜あり、マリンスポーツ・トレッキング・スキーと、科学に頼りすぎないない生活を心がければ、日本国から独立し「佐渡国」を築くことができるのではないか?と本気で感じています。
こんな素晴らしい「佐渡ヶ島」を、息子たちこれからの次世代に繋げていきたい。
私は日々そう思っています。
しかし現状はどうでしょうか?
私たちが日常的に使用している歯磨き粉・シャンプー・石けん・食器洗剤・洗濯洗剤などには「合成界面活性剤」が含まれています。
裏面の成分表に記載されている「ラウリル硫酸ナトリウム」や「ラウレス硫酸ナトリウム」などがそれにあたります。
簡潔に述べれば「水」と「油」を混ぜ合わせる作用があります。
その作用を利用して油汚れを落としています。
自然界では水と油を混ぜることは不可能ですが、科学(石油)の力を用いて可能にしたのが界面活性剤です。
人間の皮膚の表面は皮脂膜で覆われており、それによって内部の水分は保たれています。
しかしその脂を石けんで落とすことにより無防備な状態となって、乾燥したり肌荒れ、ひどい方は発疹の原因となります。
更にはキッチンハイターや衣類の漂白剤は、強力な薬品「塩素」が使われています。
触るだけで皮膚が溶ける、そんな劇薬が海に流れたら魚たちはどうなるでしょうか?
佐渡の排水は、浄化槽の微生物の力で浄化されていますが、100%完全に無毒化されているでしょうか?
私は、街中を流れる川水の色や異臭、波打ち際の汚れ、加茂湖周辺に浮いている油などを目にしているので、佐渡の自然は日々汚染されていると感じています。
2000年に噴火した「三宅島」
全島民が島外に避難した2年後、瀕死の状態だった珊瑚たちが30年ぶりに蘇ったという事実があります。
これは紛れもなく、生活排水が無くなったからと言えるのではないでしょうか?
科学の力は非常に便利ですが、その一方で、生態系にとても悪影響を及ぼしています。
また、堤防の設置や埋め立ても、潮の流れを大きく変え、魚たちが生息しにくくなってしまいます。
漁師さんたちが口々に述べる
「昔の漁はこんなではなかった」は全てを物語っていると思います。
しかし、汚染されているのは海だけではありません。
生活排水や工場から大量に流れる薬品の影響により、海水のPH値は変化します。
更に大量の排気ガスが加わり、酸性雨となって山に降り注ぎます。
スカイラインを注意深くご覧いただければお分かりと思いますが、至るところで草木が枯れています。
酸性雨に敏感な草木から影響を受けているということだと思います。
ここに長年警鐘を鳴らし続けてこられた方が、両津にお住まいの川久保 祐一氏です。
川久保氏はご自分で山に植樹し、観察を続けてこられました。
また同時に、木々を伐採したり溜め池の新設などで山を破壊し続ければ動物たちは住処と餌を失い人里に逃げ込んできます。
とんちぼ(狸)が一番身近ではないでしょうか?
しかし私たちは農作物などを荒らされることを理由に、彼らを害獣扱いしています。
彼らはそんな私たちをどう思っているでしょうか?
また平地では、田畑で使われる農薬や除草剤が川をつたって海に流れます。
数か月前、沢根の牡蠣はとても小さく、多くの漁師さんが嘆いていらっしゃいました。
それは雨が降らなかったからだと思います。
牡蠣の餌は、山の落ち葉から生まれる植物性プランクトンです。
山も平地も川も海も、私たち人間の手によって汚染され、様々な生き物たちが苦しんでいます。
それでも生き物たちは何も言わず耐え忍んでいます。
神は、そんな生き物たちを見かねて、島に深刻な雨不足・雪不足をもたらしたのだと私は思っています。
佐渡ヶ島に「ヒト」さえいなければ、他の生き物たちは本当に幸せだと思います。
そんな中でも私は愚の骨頂、佐渡ヶ島に一番必要とされていない人間だったと痛感しています。
幼少期からあらゆる殺生を繰り返し、動物の虐待、更には多くの人を傷つけ、環境に優しくない車を乗り回し、自分を着飾るためにあらゆる有害物質を島に放棄してきました。
それがゆえ私に天罰が下り、人生のどん底に突き落とされました。
だからこそ心を入れ替えた今、科学の力を最小限に抑えた生活を心がけながら、あらゆる生き物たちと啓蒙活動を続けています。
佐渡ヶ島は、生き物たち全ての楽園です。
決して私たち人間が優位ということはありえません。
地球には46億年の歴史がありますが、私たち人類の歴史はわずか1億年です。
食物連鎖の頂点に君臨しているのは地球であり、私たち人類新参者は最下と謙虚になっても良いのではないでしょうか?
現在、このコロナウィルスによって世界中が脅かされていますが、政府が主導で環境問題に取り組んでいる「コスタリカ」では感染率はとても低いです。
さらには自然と共生する地球最後の楽園と言われる「パプアニューギニア」では、感染者はごくわずかで、死亡者はゼロです。
また、コロナウィルスは「環境」や「食」だけを考え直すきっかけを与えているわけではないと思います。
世の中では「コロナ婚」があれば「コロナ離婚」もあると聞きます。
家族と向き合う時間が長くなり関係性が良好になった家庭もあれば、虐待が起きてしまった家庭もあるようです。
このコロナウィルスは現代の様々な問題点を浮き彫りにさせてくれているのではないでしょうか?
・今を生きる方は、現在のご自身を見つめます。
・慎重に生きる方は、5年・10年先を見ています。
・人の痛みを知っている方は、他人に優しく接します。
・命の尊さに気づいた方は、生き物すべてを大切にします。
・環境を大切にされる方は、地球全体を想います。
更に「視野」を広げると宇宙全体が見えてきます。
宇宙にも原理・原則があり、そのルールに則って全ては動いていると思っています。
宇宙全体の中の「コロナウィルス」と捉えた場合、どのように映るでしょうか?
私は「すべてを原点に戻しなさい」という神からの配剤だと受け止めています。
佐渡の子どもたちの未来を守る会
篠原 豪
2020.04.28コラム
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